

人材派遣を利用する企業は、サービスの対価として「派遣料金」を支払う必要があります。この派遣料金には派遣社員本人に支払われる給与のほか、派遣会社のマージンとしてさまざまな費用が含まれています。派遣料金に関しては派遣先企業にも配慮義務が課されているため、人材派遣サービスの利用を検討している場合には派遣料金の構造を理解しておくのが望ましいでしょう。
この記事では、派遣料金の仕組みや内訳、マージン率についてわかりやすく解説します。
目次
- 派遣料金の仕組み
- 初期費用
- 継続費用
- 派遣料金の内訳
- 派遣料金のマージン率
- 派遣会社のマージン
- マージン率の計算方法
- マージン率の推移
- 派遣料金・派遣賃金の相場
- 派遣会社に求められる情報提供
- 派遣先企業に求められる配慮
- 派遣のコストを抑える方法
- 希望条件の見直し
- 複数の派遣会社との比較
- 残業時間の削減
- 派遣料金に関するQ&A
- Q. 派遣料金に昇給はありますか?
- Q. 派遣社員の交通費は派遣先企業が支払うのですか?
- Q. 派遣社員のボーナスは派遣先企業が支払うのですか?
- まとめ
1.派遣料金の仕組み
派遣料金とは、労働者派遣の対価として派遣先企業が派遣会社(派遣元企業)に支払う料金のことです。「派遣料金=派遣社員の賃金」ではなく、派遣料金には派遣社員の賃金以外にもさまざまな費用が含まれます。派遣先企業は人材派遣サービスを利用する対価(=派遣料金)を派遣会社に支払い、そこから派遣社員に賃金が支払われる仕組みになっています。
企業が人材派遣を利用する際には、以下に挙げる「初期費用(イニシャルコスト)」と「継続費用(ランニングコスト)」が発生します。
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初期費用
人材派遣における初期費用は、企業が派遣社員を受け入れるための準備費用を指します。派遣社員がスムーズに就業できるよう、業務で使用する備品をあらかじめ準備しておく必要があります。採用活動は派遣会社がおこない、登録型派遣を利用する場合は原則として紹介手数料がかからないため、企業側の採用コストはほとんど発生しません。基本的には受け入れに際しての準備費用のみ必要となります。
継続費用
人材派遣における継続費用は、人材派遣サービスを継続利用するための費用を指します。派遣先企業は、派遣社員の賃金や社会保険料、福利厚生費などを含めた継続費用を派遣会社に支払うことで、派遣サービスを継続して利用できます。このようなランニングコストが「派遣料金」「派遣費用」などと呼ばれています。