Z世代とは?価値観や働き方の特徴、他の世代との違いについて解説

人事トレンド・ノウハウ
Z世代とは?価値観や働き方の特徴、他の世代との違いについて解説Z世代とは?価値観や働き方の特徴、他の世代との違いについて解説

「Z世代」と呼ばれる新しい世代が社会に進出しつつあります。近い将来、社会の中心になっていく世代であり、その価値観を理解する有益性は高いでしょう。また、今後は派遣スタッフもZ世代が増えていくことを考えると、この世代ならではの働き方の特徴も理解しておきたいところです。

この記事では、これからの社会や経済に大きな影響を与える「Z世代」を取り上げ、その価値観や働き方の特徴、他の世代との違いについてわかりやすく解説します。

目次

  1. Z世代とは?
  2. Z世代に注目が集まる背景
  3. Z世代と他の世代との違い
    • X世代
    • Y世代(ミレニアル世代)
  4. Z世代のライフスタイル
    • デジタルネイティブ
    • SNSネイティブ
  5. Z世代の価値観
    • 多様性を受容する
    • 「コト消費」や「トキ消費」を重視する
    • コストパフォーマンスを重視する
  6. Z世代の働き方の特徴
    • 仕事よりもプライベートを優先する
    • マルチタスクを好む
    • 転職を前向きに捉える
  7. Z世代が職場に求めるポイント
    • ワークライフバランス
    • 効率的な業務システム
    • 社会にとって有益な仕事
  8. まとめ

1.Z世代とは?

Z世代とは、一般的に1990年代半ばから2010年代初頭にかけて生まれた世代を指します。2026年現在では、おおよそ17~31歳前後の年齢層がこれに該当します。

「Z世代」という言葉は、「ジェネレーションZ(Generation Z)」が語源となっています。第二次世界大戦後に生まれた若者たちを「未知数(X)」という意味で「X世代」としたことに端を発し、世代が移るごとにY世代、そしてZ世代と呼ばれてきました。

Z世代とは?
世代呼称 生まれた年
X世代 1960年代半ば~1980年頃
Y世代 1980年頃~1990年代半ば
Z世代 1990年代半ば~2012年頃

この世代は、テクノロジーの進化とともに成長してきた「デジタルネイティブ」「SNSネイティブ」であり、インターネットやスマートフォンが常に身近な存在でした。そのため、情報収集やコミュニケーションにおいて、従来の世代とは異なる行動様式を持つことが、Z世代の価値観を理解する上で重要なポイントとなります。

彼らの特性を理解することは、企業が採用活動やマーケティング戦略を考える上で不可欠と言えるでしょう。Z世代の価値観を捉え、彼らのニーズに応えることが、今後のビジネス成功の鍵となります。

2.Z世代に注目が集まる背景

市場調査会社のSVPジャパンが2022年に公開したレポートによると、Z世代は世界人口の32%、日本人口の15%を占めているといいます(「Z世代 -未来を牽引する、新世代の特徴と傾向-」より)。

現在の日本において、Z世代が全人口に占める割合は決して高くはありません。しかし、Z世代は主に10代と20代の若い世代であり、2020年代半ばの労働市場には多くのZ世代が進出してきます。Z世代の働き方も従来の世代とは異なるため、企業は柔軟な対応が求められるでしょう。

また、Z世代の消費行動は、これからの社会や経済に大きな影響を与えると考えられています。そのため、Z世代の価値観を理解することは、企業にとって喫緊の課題となっています。今後の日本社会を担う存在として、Z世代は無視できない大きな注目を集めているのです。

3.Z世代と他の世代との違い

Z世代の特徴を深く理解するためには、その前の世代、すなわち「X世代」や「Y世代(ミレニアル世代)」との違いを明確に認識することが不可欠です。ここでは、それぞれの世代が持つ特徴をZ世代と比較しながら、具体的な相違点について解説していきます。

X世代

X世代とは、1960年代半ばから1980年頃に生まれた世代を指す言葉です。第2次ベビーブームにあたる1971年から1974年にかけて生まれた、いわゆる「団塊ジュニア」もこの世代に該当します。

X世代の特徴として、個人主義に傾きがちであることが挙げられます。安易に周囲と同調せず、自らの志向に従って生きる傾向があります。仕事においては自立心が強く、自らのキャリアアップに意欲的です。また、若年期にバブル景気を経験したこともあり、物質的な豊かさへの憧れも持っています。

X世代は、情報収集においてはインターネット黎明期から現在まで、多様なメディアに触れてきました。Z世代との大きな違いは、インターネットやスマートフォンの普及が大人になってからの出来事であるという点です。こうしたデジタルテクノロジーが生まれたときから身近にあったZ世代と比べると、デジタルへの親和性の面では劣るといえます。

X世代が社会に出た頃は、まだアナログなコミュニケーションが主流でした。そのため、ITツールの活用や情報収集の方法において、Z世代とは異なるアプローチを取ることが多いでしょう。Z世代がSNSで情報収集をすることに対し、X世代はより多様な媒体を使い分ける傾向があります。この世代間の違いを理解することは、世代間のコミュニケーションを円滑にする上で大切です。

Y世代(ミレニアル世代)

Y世代とは、1980年から1990年代半ばにかけて生まれた世代を指す言葉です。2000年以降に社会人になった世代であり、千年紀(Millennium)を語源とした「ミレニアル世代」とも呼ばれることもあります。

Y世代は、幼少期にデジタル技術の黎明期を経験し、10代の頃にはインターネットの急速な発展と普及を目の当たりにしてきました。そのため、デジタルパイオニアとしての側面を持ち、テクノロジーへの親和性が高いのが特徴です。

Z世代と比較すると、彼らはSNSが登場する以前のインターネット環境も経験しており、アナログ媒体の使用経験もZ世代より多いのが特徴です。これにより、Y世代はデジタル媒体を中心にしつつも、デジタル媒体とアナログ媒体を柔軟に使い分けることができます。このデジタルとアナログのバランス感覚は、Z世代がよりデジタルネイティブであることとの大きな違いと言えます。

また、Y世代の幼少期はバブル景気の末期にあたり、消費文化が花開いていた時期でした。そのため、高級ブランドを好むなど、消費意欲が旺盛な傾向があります。これは、経済的な不安定さを経験したZ世代が、ブランドよりもユニークさやコストパフォーマンスを重視する傾向にあることとは対照的です。

彼らの価値観は、物質的な豊かさと、その後のデジタル化への適応という二つの側面から形成されていると言えるでしょう。変化に柔軟に対応する能力は、Z世代にも共通する特徴ですが、Y世代はその基盤を幼少期に培ってきたと言えます。

4.Z世代のライフスタイル

Z世代のライフスタイルの特徴として以下の点が挙げられます

デジタルネイティブ

デジタルネイティブとは、生まれたときから、または物心ついたときからインターネットが当たり前に存在していた世代をいいます。1990年代半ば以降に生まれたZ世代は、子どもの頃からデジタルデバイスに囲まれて生活しており、スマートフォンやタブレット、パソコンといったIT機器は彼らにとって身近な存在です。

そのため、他の世代と比べるとITリテラシーが高く、情報収集やコミュニケーション、エンターテイメントなど、用途に合わせてさまざまなデジタルツールを柔軟に活用するスキルを持っています。

この世代は、幼少期からインターネットを通じて世界中の情報にアクセスできる環境で育ちました。そのため、グローバルな視点や多様な価値観に触れる機会が多く、これが後の「多様性を受容する」という価値観にもつながっています。

また、オンラインゲームや動画配信サービスなどを日常的に利用しており、デジタル空間での体験が彼らの生活の一部となっています。AI技術の進化にも自然に触れており、最新技術への適応力も高いと言えるでしょう。

SNSネイティブ

生まれたときからSNSが存在していたため、Z世代はSNSを情報収集やコミュニケーションの主要な手段として捉えています。GoogleやYahoo!などの従来の検索エンジンよりも、InstagramやTikTok、X(旧:Twitter)といったSNSプラットフォームを通じて、最新のトレンドや情報を得ることを好む傾向があります。

また、Z世代は複数のSNSを巧みに使い分け、オンラインでの交流を深めることに長けています。一方で、彼らは過去に多くの企業や著名人がSNSで「炎上」する事態を目の当たりにしており、情報発信におけるリスクやプライバシー、セキュリティへの意識も非常に高いのが特徴です。

さらに、「デジタルタトゥー」という言葉を理解し、将来に影響を与えかねない発言や投稿には注意を払う傾向もあります。この情報リテラシーの高さは、彼らがデジタル社会を生き抜く上で重要なスキルとなっています。

5. Z世代の価値観

Z世代の価値観として以下の点が挙げられます。

多様性を受容する

Z世代は、自分とは異なる人種、性別、性的指向、考え方、文化など、あらゆる多様性を受容する傾向が強いです。これは、彼らが幼少期からインターネットやSNSを通じて、世界中の多様な価値観やライフスタイルに触れる機会が豊富であったためだと考えられます。

また、学校教育においても、人それぞれ異なる価値観を持っていることを認識し、自分と違うことを肯定的に捉えるという教育が推進されてきました。そのため、Z世代は「自分と違う」ことを否定的に捉えるのではなく、むしろ新しい視点や発見をもたらすものとして肯定的に受け止める傾向が強いのです。ダイバーシティやインクルージョンを大切にする精神が根付いており、誰もが自分らしくいられる環境を自然と求めます。

「コト消費」や「トキ消費」を重視する

Z世代は、限られた予算の中で最大限に充実した体験を得ることを重視します。「コト消費」とは、モノそのものよりも、体験や経験にお金を使う消費行動を指します。例えば、Amazon Prime VideoやNetflixといった動画配信サービスのサブスクリプションサービスを好む傾向は、いつでもどこでも自分の好きなエンターテイメントを楽しみたいという「コト消費」志向の表れと言えるでしょう。また、音楽やスポーツイベントの参加、旅行など、その瞬間にしか得られない特別な体験にお金を使う「トキ消費」もZ世代の間で広がりを見せています。

これらの消費スタイルは、Z世代以前の「モノ消費」、すなわち物質的な豊かさや所有することに価値を置く消費行動とは対照的です。大量生産・大量消費が前提だった時代から、社会そのものが体験価値や共有体験を重視する方向へと変化しており、Z世代の消費行動はその変化を色濃く反映しています。

コストパフォーマンスを重視する

Z世代は、バブル崩壊後の経済状況や、リーマンショック、東日本大震災といった社会的な出来事を幼少期に経験しています。また、日本の先行きや将来性に期待が持てず、悲観的に考える傾向もあります。

このような経験から、物事を現実的に捉え、費用対効果を極めて重視する価値観を持つようになりました。そのため、無駄を省き、コストパフォーマンスの高い選択肢を好む傾向にあります。これは、単に安いものを求めるのではなく、投資した金額に見合う、あるいはそれ以上の価値や満足感を得られるかを見極める能力に長けていることを示しています。

6.Z世代の働き方の特徴

Z世代の働き方には、ライフスタイルや価値観と同様に、従来の世代とは異なるユニークな特徴が見られます。

仕事よりもプライベートを優先する

Z世代は、長時間労働を避け、家庭生活や個人の時間を大切にする傾向があります。内閣府が2017年に実施した若者の就労に関する意識調査によれば、「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」という回答は、6年前の同調査と比較して10%以上増加しました(「特集 就労等に関する若者の意識 -(3)仕事観について」より)。

この傾向は女性の方がより強いですが、男性でも6割近くがプライベート優先と回答しています。ワークライフバランスを重視するZ世代の社員に対しては、家族や友人関係など個人的な事情に深く踏み込むのではなく、個々のプライベートを尊重する姿勢が求められます。

これは、単に個人の権利を尊重するだけでなく、エンゲージメント向上にもつながる要素です。また、柔軟な働き方の導入は、優秀な人材の確保と定着に不可欠であり、企業全体の生産性向上にも寄与します。キャリアプランを考える上でも、プライベートとの両立はZ世代にとって重要な判断基準となります。

マルチタスクを好む

効率性を重視し、複数のタスクを同時におこなう「マルチタスク」を好むのもZ世代の特徴です。ビジネスシーンに限らず、たとえば動画を観ながら料理をする、食事をしながら読書をするというように、プライベートにおいても自然とマルチタスクをおこなうことができます。これは、幼少期からデジタルデバイスを使いこなし、情報過多な環境で育ってきたZ世代ならではの適応能力とも言えるでしょう。

また、Z世代はかけた時間に対する満足度を指す「タイムパフォーマンス」も重視する傾向にあります。「コスパ」だけでなく「タイパ」という言葉もZ世代の間で浸透しており、マルチタスクによる同時並行で作業時間を減らすことで、その結果として余剰時間を作り出し、私生活の充実やスキルアップなどに充てます。このタイムパフォーマンスを意識した働き方は、仕事の進め方においても、より能動的で効率的なアプローチを求めるZ世代の価値観を反映しています。

転職を前向きに捉える

全体的な傾向として定年まで同じ会社に勤めたいという人の割合は低下しており、これはZ世代においても同様です。内閣府が実施した若者の転職に対する意識調査によると、転職に否定的な考えを持つ人の割合は全体の2割に満たず、多くの若者が転職を前向きに捉えていることが読みとれます(「特集 就労等に関する若者の意識 -(3)仕事観について」より)。

Z世代にとって、転職をキャリアアップや自己成長のための手段として捉えることは一般的です。キャリアチェンジや、より自身の価値観に合った職場環境を求めるために、転職を積極的に検討します。

また、Z世代は生まれてから好景気を経験したことがありません。日本経済や会社の先行きに対して懐疑的であり、自分の人生を何かに委ねることに否定的な感情を持っています。そのため、安定志向よりも、自身のスキルを高め、特定の会社に依存しない生き方を志向する傾向があります。スキルアップを重視し、経験を積むことで、より市場価値の高い人材となることを目指します。このようなキャリアプランの一環として、転職は自然な選択肢と捉えられているのです。

7.Z世代が職場に求めるポイント

これから多くのZ世代が労働市場に出てくるなかで、この世代が会社に何を求めているのか理解することがますます重要になってきます。Z世代の希望に応えられるような職場であれば、若い人材の流出を防ぐとともに社員のモチベーションやエンゲージメント向上にも期待が持てるでしょう。
ここでは、Z世代が職場に求めるポイントをご紹介します。

ワークライフバランス

Z世代が職場に求めるポイントとして、ワークライフバランスが整っていることが挙げられます。Z世代はプライベートの充実を重視する傾向にあり、自分自身の出世に対する願望は以前の世代ほど強くありません。そのため、企業としては多様な働き方を受容し、テレワークやフレックスタイム制、時短勤務などの制度を整備する必要があります。

また、ワークライフバランスを整えることは、社員の生産性アップや企業イメージの向上にもつながり、社員だけでなく企業にとってもメリットの大きい取り組みです。働きやすい職場は人材が定着しやすいため、採用・育成コストを削減できるというメリットもあります。

特に、Z世代の働き方の特徴であるプライベート優先の考え方を理解し、それを尊重する企業文化を醸成することが、優秀な人材の獲得と定着には不可欠です。Z世代の価値観を理解し、ワークライフバランスを整えられる柔軟な制度を導入することは、企業が将来にわたって競争力を維持するための鍵となります。

関連記事:在宅勤務のメリット・デメリットは?継続・終了の最新企業動向も紹介

効率的な業務システム

Z世代は、無駄な会議や出張、長時間残業を敬遠する傾向があります。仕事をするうえではタイムパフォーマンスを重視し、デジタル機器を駆使しながら業務を効率的に遂行することも特徴です。また、マルチタスクを好む傾向にあり、これは効率的に業務を進めようという考えのあらわれでもあります。

業務効率化を求めるZ世代にとって、ITツールの活用は必須と言えるでしょう。彼らは新しいテクノロジーへの抵抗感が少なく、積極的に情報収集をおこない、業務改善につながるツールやシステムを自ら見つけ出すこともあります。したがって、企業側も最新の業務システムを導入したり、従業員が自由にツールを選べる環境を提供したりすることで、Z世代のエンゲージメントを高めることができます。

現場の責任者としては、現場の業務フローを見直し、自動化や効率化を図っていく必要があります。日常的に発生する定型業務はシステム化やアウトソーシングを検討し、非効率的な会議や報告書などは見直すべきでしょう。効率的な業務システムが実現すれば、本来注力すべき重要なコア業務に集中できるというメリットもあります。

社会にとって有益な仕事

Z世代は、社会課題への関心が高く、社会に貢献したいという気持ちを強く持っています。この世代は、単に給与が高いという理由だけで仕事を選ぶのではなく、自身の仕事が社会に対してどのような影響を与えるのか、社会貢献性を重視する傾向があります。そのため、高収入の仕事であっても、やりがいやパーパス(存在意義)を感じられなければ、モチベーションを維持するのが難しい場合があります。

SDGs(持続可能な開発目標)への意識も高く、環境問題や人権問題といった社会課題に取り組む企業や、そうした活動に積極的に関わる企業を選ぶ傾向が見られます。人事担当者としては、Z世代の社員に対して、自社の理念や企業文化を丁寧に伝え、業務の社会的意義を明確に示していくことが重要です。

自社が社会に対してどのような役割を果たせるのか、そして社員一人ひとりが自分の仕事を通じて社会課題の解決にどのように貢献できるのかを具体的に示すことで、彼らのエンゲージメントを高めることができます。また、企業が CSR(企業の社会的責任)活動やサステナビリティへの取り組みを積極的におこなっていることをアピールすることも、Z世代の採用や定着において有効な手段となるでしょう。

関連記事:派遣社員の働く意欲を高める社内コミュニケーションの方法とは

8.まとめ

Z世代とは1990年代半ばから2010年代にかけて生まれた人を指す世代呼称であり、これからの社会や経済を牽引していく存在です。幼少期からインターネットやデジタルデバイスに触れており、個々の多様性を受容する、「モノ」よりも体験重視の消費を好むといった価値観を持っています。仕事においては効率性を求める傾向が強く、ワークライフバランスの整った働き方を希望しています。

Z世代は他の世代とは異なる特徴を持ち、若手社員に対する従来の常識が通用しないこともあります。このため、Z世代の特徴を無視してしまうと、大きな行き違いに発展しかねません。派遣スタッフとして力を発揮してもらうためにも、Z世代ならではの特徴や価値観を理解したうえで接することが重要です。本記事で取り上げた内容を参考に、Z世代の育成に注力してほしいと思います。

メルマガに登録する