建設業界は今後どうなる?市場規模や最新の動向を解説

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建設業界は今後どうなる?市場規模や最新の動向を解説建設業界は今後どうなる?市場規模や最新の動向を解説

建設業界に興味があるものの、人手不足や高齢化といった課題が相次いで報道される中、業界の先行きに不安を感じている方もおられるでしょう。

市場全体の動向を整理してみると、課題だけでは語れない側面も見えてきます。今回は、建設業界の市場規模や最新の動向、そして今後の見通しについて解説します。

目次

  1. 1. 建設業界の市場規模
  2. 2. 建設業界の最新トピック・動き
  3. 3. 建設業界の今後はどうなる?将来の見込み
  4. 4. まとめ

1.建設業界の市場規模

まず、建設業界の現状を数字で確認しておきましょう。ここでは建設投資額と就業者数の推移を取り上げ、業界規模がどのように変化してきたかを紹介します。

建設業界の市場規模

建設投資額の推移

建設投資額は、1992年度の84兆円をピークに減少に転じ、2010年度には約42兆円と、ピーク時の約半分まで落ち込んだ時期がありました。その後、東日本大震災からの復興需要や老朽インフラの更新需要などを背景に回復基調へと転じ、2026年度には前年度比2.9%増の81兆4,700億円となる見通しです。

ピーク時の水準にはまだ届かないものの、長期にわたる落ち込みからは着実に持ち直しており、投資規模の観点からは依然として大きな業界であると言えます。今後も公共投資や民間投資を通じた一定の需要が続くことが見込まれています。

出典:国土交通省「令和8年度(2026年度)建設投資見通し」

就業者数の推移

建設業の就業者数は、平成9年(1997年)の685万人をピークに、長年にわたって減少を続けてきました。令和6年(2024年)の平均は477万人となっており、ピーク時と比べると約30.4%もの減少です。

建設投資が底を打った平成22年(2010年)には504万人まで落ち込み、以降は減少しながら推移し、令和7年には478万人となっています。投資額は回復傾向にある一方、就業者数は依然として低水準が続いており、人材の確保が業界全体の喫緊の課題となっています。

現場で働く担い手の不足は、工期の長期化や施工コストの上昇といった形でも現れ始めています。

出典:国土交通省「建設業を取り巻く環境について」

2.建設業界の最新トピック・動き

近年、建設業界ではさまざまな変化が起きています。ここでは特に注目度の高い4つのトピックについて解説します。

建設業界の最新トピック・動き

時間外労働の上限規制(2024年問題)

2024年4月から、罰則付きの時間外労働の上限規制が建設業にも適用されるようになりました。この規制は他の産業では2019年から施行されていましたが、建設業には5年間の猶予期間が設けられており、2024年にその猶予が終了したかたちです。

国土交通省は週休2日の確保や適正な工期設定を通じて、業界全体での長時間労働の是正を後押ししています。現場の働き方や工期のあり方が、これまで以上に問い直されている状況です。一方で、規制適用によって工期が延びる案件や、受注を絞る企業も出てきており、業界全体での適応が続いています。

i-Constructionによる建設DXの推進

国土交通省は2024年に「i-Construction 2.0」を策定しました。「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」の3本柱を軸に、建設現場の省人化が目指されています。

ドローン測量・自動運転建機・BIM/CIMなど、かつては実証段階にあった技術が現場での成果を上げ始めており、人手不足の解消と安全性の向上を同時に実現しようという取り組みが加速しつつあります。特に若手技術者にとっては、デジタルツールを活用した新しい働き方が広がる可能性があり、業界のイメージ刷新にもつながることが期待されています。

出典:国土交通省「i-Construction 2.0~建設現場のオートメーション化に向けて~」

脱炭素化への取り組み

日本建設業連合会(日建連)は2026年4月にロードマップを改定し、施工段階のCO₂排出量を2035年度に2013年度比で60%削減することを目標として掲げています。軽油代替燃料やGX建設機械の普及を前提としており、機械・燃料の両面からの転換が求められています。

国土交通省も「土木工事の脱炭素アクションプラン」を発表し、建設機械や建設資材の脱炭素化を推進しています。建設物のライフサイクル全体を通じたCO₂削減は、業界の標準的な対応となりつつある状況です。今後は、脱炭素に対応できる技術・知識を持つ人材の需要も高まっていくと考えられます。

資材価格高騰分の価格転嫁

近年の資材価格の高騰を受け、改正建設業法では、資材高騰の「おそれ情報」の通知や請負代金の変更協議の仕組みが制度化されました。下請企業が一方的に価格上昇のリスクを負わないよう、取引の透明性を高める方向での整備が進んでいます。

国土交通省は直轄工事において、実勢価格を反映した予定価格の設定や、スライド条項の適切な運用を実施しており、公共工事から民間へと価格転嫁の文化が浸透しつつあります。こうした制度の整備は、下請企業の経営安定化にも寄与するものと期待されています。

3.建設業界の今後はどうなる?将来の見込み

ここでは建設業界の今後について、需要・人材・組織の面からそれぞれ整理します。課題と可能性の両面を把握することで、業界の将来像をより立体的に捉えることができるでしょう。

建設業界の今後はどうなる?将来の見込み

需要は堅調に推移する

半導体工場やデータセンターの建設需要、GX関連投資の拡大に加え、老朽化したインフラの更新需要が続いていることから、建設業界の受注環境は引き続き堅調に推移する見込みです。

工事の件数や規模が縮小するわけではなく、むしろ一定以上の需要が続くことが予想されます。人口減少の影響が続く中でも、社会インフラの維持・更新には建設の力が不可欠であり、業界そのものが消えてなくなるという状況は考えにくいと言えます。

人手不足と高齢化はさらに続く

一方で、人材面の課題は深刻な状況が続くと見込まれています。国土交通省の試算によると、建設技術者数は5年ごとに約1.5〜3.0%ずつ減少し、建設技能労働者数はおよそ5年ごとに7〜8%ずつ減少していく見通しです。

また、50代の技術者が全体の約半数を占める一方、29歳以下の若手入職者は依然として少ない状況が続いており、世代交代が進みにくい構造となっています。施工の遅れや着工の後ろ倒しといった問題もすでに顕在化し始めており、業界全体での担い手確保が急務となっています。需要は堅調な一方でそれを支える人材が不足しているというミスマッチが、今後の最大の課題と言えるでしょう。

出典:
総務省「労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)」
国土交通省「令和7年版国土交通白書 概要」

外国人材の受け入れが進む

こうした人手不足を補う手段の一つとして、特定技能制度を活用した外国人材の受け入れが進められています。国内の労働力だけでは需要をまかないきれないという現実から、業界における外国人材の存在感は今後さらに高まっていく可能性があります。

受け入れ企業には、建設キャリアアップシステムへの登録をはじめ、一定の要件を満たすことが求められます。制度の整備とともに、多様な人材が働きやすい環境づくりも進んでいくことが期待されています。

M&Aによる業界再編が本格化する

後継者不在に悩む建設会社が増える中、事業承継の手段としてのM&Aが増えています。地方の中堅企業を中心に、廃業を回避するための統合は今後も増加が見込まれます。

また、人口減少による国内市場の中長期的な縮小と、DX投資に対応するための規模要件を背景に、大手企業どうしの大型M&Aも公表されています。業界の構造再編が本格化する中、どのような規模・形態の企業で働くかという視点もキャリアを考える上で重要になりそうです。

4.まとめ

建設業界は、人手不足や高齢化という課題を抱えながらも、インフラ更新や半導体工場・データセンターの建設など、引き続き堅調な需要が見込まれる業界です。2024年問題への対応、i-Constructionによるデジタル化、脱炭素化への取り組みなど、変化の真っただ中にあります。

課題が多い業界であることも事実ですが、人材不足であるからこそ、転職・就職のチャンスが生まれやすい面もあります。将来に向けてキャリアを考えている方は、業界の変化をポジティブな視点で捉え直してみると良いかもしれません。

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