派遣社員も防災訓練の対象?派遣先企業が確認すべき安全管理のポイント

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派遣社員も防災訓練の対象?派遣先企業が確認すべき安全管理のポイント派遣社員も防災訓練の対象?派遣先企業が確認すべき安全管理のポイント

防災訓練は、従業員の安全管理に欠かせません。災害時の安全を確保するためには、派遣社員も防災訓練の対象に含めることが望ましいでしょう。

この記事では、防災訓練の法的な位置づけや訓練の種類、実施の流れを解説します。派遣元企業との役割分担など、派遣先企業が確認すべきポイントを押さえ、災害時に安全が確保できる体制を整えましょう。

目次

  1. 防災訓練とは
  2. 防災訓練の種類と内容
  3. 派遣先企業が実施する防災訓練の流れ
  4. 派遣先企業の防災訓練ポイント
  5. まとめ

1.防災訓練とは

防災訓練は、火災や地震などの災害を想定し、避難や初期消火、連絡の手順を実践形式で行う取り組みを指します。動線や役割を確認し、防災計画の不備を洗い出すことが目的です。
ここでは、派遣先企業で防災訓練を行う必要性や意義を解説します。

防災訓練とは

派遣先企業の防災訓練は義務?

防災訓練は、派遣元企業か派遣先企業かに関わらず、一定規模以上の防火対象物であれば、消防法に基づき消防計画に沿った訓練の実施が求められています。

派遣先企業における防災訓練の必要性

派遣先企業で防災訓練が必要な理由は、派遣社員を含めた全従業員に対する安全配慮義務を果たすためでもあります。

関連記事:派遣先企業は安全配慮義務を負うのか?法律や違反ケースをわかりやすく解説

派遣社員の雇用主は派遣元企業であり、派遣社員に対する責任の多くは派遣元企業が負います。一方、労働基準法第33条の「災害等による臨時の時間外労働・休日労働」については派遣元企業ではなく派遣先企業が使用者として判断することになります。派遣社員の安全衛生の確保については派遣元企業と派遣先企業の双方に責任がありますが、実際の職場環境における安全確保や災害時対応においては派遣先企業が中心的な役割を担います。

派遣社員は派遣先企業の指揮命令のもとで勤務しており、災害時には派遣先の建物や設備、避難ルールに沿って行動することになります。そのため、派遣先企業は、避難経路や集合場所、非常時の連絡方法などを派遣社員にも周知し、必要な対応を取れるようにしておくことが必要です。

実際に災害が発生した際、派遣先企業が派遣社員の安全を確保するためにも防災訓練の対象に派遣社員を含めることは、安全配慮の観点から重要です。

2.防災訓練の種類と内容

防災訓練は種類によって目的や内容が異なります。代表的な訓練の内容や目的をまとめました。

防災訓練の種類と内容
訓練の種類 主な内容 目的
避難訓練 発災を館内に周知し、避難経路をたどって指定場所まで移動し、実際の動きを確認する。 発災時に安全な場所へ短時間で移動できるようにする。
消火訓練 消火器や屋内消火栓を使い、初期消火の手順を実際に体験する。 火災の拡大を初期段階で食い止める。
通報訓練 発災を館内に周知し、消防機関へ通報する流れを確認する。 119番通報と情報伝達を確実に実施する。
救出・救護訓練 負傷者の搬送や応急手当を行う。 負傷者の被害を最小限に抑える。
安否確認訓練 安否確認システムやメールなどで従業員の安否を集約する。 就業時間外や外出中の従業員を含む、全員の状況を把握する。
図上訓練 館内の見取り図や地図を使い、災害発生時の対応を検討する。 意思決定の手順と役割分担を確認する。
BCP訓練 重要業務の継続・復旧手順を確認する。 事業の中断を最小限に抑え、早期復旧を図る。

防災訓練の実施方法には、それぞれを個別に行う部分訓練のほか、発災から通報、消火、避難までを一連の流れで実施する総合訓練もあります。

派遣社員を含む従業員の安全を確保する観点からは、避難訓練と安否確認訓練が重要です。避難経路を知らずに被災するリスクを減らすとともに、連絡先を把握していないといった抜け漏れなども発見できます。

3.派遣先企業が実施する防災訓練の流れ

防災訓練を無計画に実施するだけでは、十分な効果が得られません。派遣先企業が防災訓練を実施する際の流れを5つのステップに分けて解説します。

派遣先企業が実施する防災訓練の流れ

防災訓練の目的と具体的なシナリオの設定

防災訓練を実施する前に、まずは目的を明らかにしましょう。避難経路を確認するのか、安否確認システムの操作方法を習得するのかによって、訓練の内容は異なります。

目的が定まったら、具体的なシナリオを設定します。地震や火災、水害など災害の種類に加え、発生日時や出火場所、地震の規模(震度)、停電の有無などを細かく設定しましょう。条件が細かく決まっていると、利用できる避難経路や設備の利用可否など、災害時の状況を明確化できます。

役割分担と訓練計画書の作成

シナリオが完成したら、災害時の役割分担を決めます。通報係や初期消火係、避難誘導係、安否確認係などに分け、班編成を組みましょう。1つの役割に複数の担当者を定めれば、不在の人がいても対応可能です。

決定した役割分担は、訓練計画書にまとめます。目的や日時、想定シナリオ、参加対象者、班ごとの動き、当日のタイムスケジュールを整理しておけば、進行がスムーズです。消防機関へ届け出た消防計画と整合が取れているかも確認が必要です。

対象者と実施スケジュールを決定

次に、対象者や実施スケジュールを決定します。防災訓練の対象者は、職場で働くすべての従業員にするのが原則です。派遣社員やパート・アルバイトを含めないと、災害時に取り残されるおそれがあります。

実施日は、業務への影響が小さい時期・時間帯を選ぶのが適切です。繁忙期を避けつつ、極力多くの従業員が参加できる日を選びましょう。

社内周知のうえ、防災訓練を実施

訓練の対象者や日時が決まったら、社内に事前周知します。概要だけでなく、訓練の目的や防災マニュアル、安否連絡方法などもあわせて共有しましょう。

防災訓練当日は、シナリオどおりに進んだかだけでなく、避難完了までにかかった時間や、避難時に迷った人がいたか、放送が聞こえない場所がなかったかなども記録します。課題が見つかれば、次の訓練までに改善しましょう。

BCPや防災マニュアルを見直す

防災訓練は実施して終わりではありません。見つかった課題をもとに、BCPや防災マニュアルを見直しましょう。BCPとは事業継続計画の略で、災害時に事業を継続し、早期に復旧するための計画を指します。

見直す際は、避難経路や集合場所が適切か、連絡先の更新が必要か、担当者の異動や退職が反映されているかなどを確認します。訓練で見つかった課題もふまえ、より実効性のある計画やマニュアルに更新しましょう。

4.派遣先企業の防災訓練ポイント

派遣先企業の場合、派遣元企業との役割分担や、派遣社員への情報共有が重要です。派遣先企業が押さえるべきポイントを2つ解説します。

派遣元・派遣先の役割を協議する

災害発生時の派遣元企業と派遣先企業の役割分担を、あらかじめ決めておきましょう。
現場での安全確保は派遣先企業、家族への連絡や雇用面の対応は派遣元企業のように、担当を決めておくと、災害発生時の混乱を減らせます。

特に整理しておきたいのが、災害によって就業できなくなった場合の取り扱いです。

派遣社員に対する休業手当の支払い義務は、雇用主である派遣元企業が負うのが基本です。ただし、派遣先企業の都合で労働者派遣契約を解除する場合は、派遣先企業にも新たな就業機会の確保や休業手当相当額の費用負担が生じることがあります。災害による休業は、不可抗力によるものか、派遣元企業または派遣先企業の責任に帰すべき事由によるものかによって取り扱いが異なるため、個別の状況に応じた判断が必要です。

休業手当や帰休の扱いは、避難方法や連絡体制とあわせて平時のうちに派遣元企業と協議しておくことが重要です。

災害マニュアルの共有や周知を怠らない

災害マニュアルの共有や周知も重要です。派遣先企業が作成したマニュアルを派遣元企業にも共有し、認識のズレを防ぎましょう。派遣元企業でもマニュアルを作成している場合は、事前に受け取り、内容を確認します。

派遣社員本人への周知も欠かせません。防災訓練でマニュアルを共有するだけでなく、就業開始時のオリエンテーションでも避難経路や緊急時の連絡先を伝えておけば、次の訓練を待たずに最低限の情報を共有できます。

5.まとめ

災害時に現場で安全を確保できるのは派遣先企業です。防災訓練では派遣社員も対象に加えると、職場で働く人全員の安全確保につながります。

まずは自社の防災訓練に派遣社員が含まれているか、避難経路や連絡先が派遣社員にも共有されているか確認しましょう。そのうえで災害時の役割分担を派遣元企業と整理しておけば、災害発生時に適切な対応を取りやすくなります。

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