人事担当者として知っておきたい!派遣社員が辞める時の正しい対応フローと注意点を解説

人材派遣の基礎知識
人事担当者として知っておきたい!派遣社員が辞める時の正しい対応フローと注意点を解説人事担当者として知っておきたい!派遣社員が辞める時の正しい対応フローと注意点を解説

契約期間の途中で派遣社員から急に「辞めたい」と言われてしまい、困ってしまった経験はありませんか?派遣社員の退職対応は、法的な判断と、派遣元企業との迅速かつ正確な調整が求められる難しい業務です。

本記事では、退職の申し出があった場合の法的なポイントや対応フロー、注意点などを分かりやすく解説します。辞めたいと申し出があった時に冷静に対処できるよう、派遣先の人事担当者として知っておくべき知識を確認しましょう。

 

この記事で分かること

  • 派遣社員が辞める時の法的なルール
  • 派遣社員から退職の申し出があった場合の対応フロー
  • トラブルを防ぐために派遣先が注意すべきこと

目次

  1. 派遣社員は契約途中で辞められる?
    • やむを得ない事由の例
  2. 派遣社員から辞めたいと言われたら
    • 派遣社員の申し出を記録する
    • 契約期間・条件を確認する
    • 面談を行い離職理由を確認する
    • 退職日の調整・引き継ぎを行う
    • 貸与物の返却や退職手続き
  3. 派遣社員の退職対応で押さえる注意点
    • 派遣社員から退職の意思を受けてもその場で可否を判断しない
    • 派遣元企業と対応方法のすり合わせをする
    • 判断の根拠を説明できるよう記録を必ず残す
  4. まとめ

1.派遣社員は契約途中で辞められる?

原則として、派遣社員の契約途中での退職は認められません。派遣社員の雇用契約は期間の定めのある「有期雇用契約」であり、契約期間満了まで働く必要があります。

例外的に、次のいずれかに該当する場合は契約途中でも退職の申し出が認められます。

  • 民法第628条:「やむを得ない事由」に該当する場合
  • 労働基準法附則第137条:契約期間の初日から1年以上経過している場合
人事担当者として知っておきたい!派遣社員が辞める時の正しい対応フローと注意点を解説

なお、派遣社員の雇用主はあくまで派遣元企業のため、退職の意思は派遣先ではなく、派遣元企業に申し出てもらうように案内をしましょう。

関連記事:派遣社員の契約途中における退職~急な事態に派遣先企業の担当者が気を付けること

やむを得ない事由の例

次のようなケースは、例外的に契約解除が認められる「やむを得ない事由」に該当すると判断される可能性があります。

  • 契約内容との不一致・不履行
    契約時に提示された労働条件と、実際の業務内容に大きな乖離がある場合や、給与未払いなどの契約不履行があるケースです。
  • 職場環境の問題(ハラスメントなど)
    派遣先でパワーハラスメントやセクシャルハラスメントなどの被害に遭い、就業環境が著しく悪化している場合も「やむを得ない」と判断される可能性が高くなります。
  • 心身の健康問題
    自身の病気や怪我、メンタルヘルスの不調などにより、業務の継続が困難になった場合です。
  • 家庭の事情(介護・転居)
    家族の介護が必要になった、配偶者の転勤で通勤が不可能になったなど、私生活の事情も「やむを得ない事由」に該当します。
  • 業務の違法性
    業務内容が法令に違反している場合も「やむを得ない」事由と認められる可能性が高いでしょう。

2.派遣社員から辞めたいと言われたら

実際の退職手続きは雇用主である派遣元企業が行いますが、派遣先の人事担当者として現場の混乱を防ぐためにも退職のフローを理解しておきましょう。

派遣社員の申し出を記録する

派遣社員から退職の申し出があった場合、派遣元企業は「いつ(申し出日)」「誰から(本人か代理か)」「どのような手段で(対面、電話、メール)」連絡があったかを正確に記録します。

また、その申し出が以下のどれを意味するか確認することも重要です。

  • 契約更新の拒否:次回の更新をせず、期間満了で雇用契約を終了したい。
  • 派遣先の変更希望:現在の職場を変えたいが、雇用契約は継続したい。
  • 契約途中での即時退職:今すぐ雇用契約を終了したい。

契約期間・条件を確認する

記録を取ったあとは、雇用契約の内容や法的な要件を確認します。

  • 雇用契約の内容
    雇用契約書における契約期間の開始日や満了日、退職日の何日前までに申し出が必要かを確認します。併せて就業規則も確認します。
  • 法的な要件
    契約途中の退職を希望している場合、「やむを得ない事由」に該当するか、契約初日から1年以上経過しているかを確認します。「やむを得ない事由」として、派遣先での業務内容やハラスメントなど、派遣社員が職場環境の問題を主張している場合は、速やかな事実確認が必要です。

面談を行い離職理由を確認する

状況確認が済んだら、派遣社員と面談し、改めて詳細な退職理由をヒアリングします。面談では形式的な理由だけでなく、本音の退職理由を丁寧に聞き出すことが重要です。
※「残業が多い」「人間関係が辛い」など、職場環境が原因の場合は、環境改善に取り組む旨を伝えたり、派遣元を通じて配置転換を考えるなど、派遣先企業としても継続の道を探ることも検討してみましょう。

退職日の調整・引き継ぎを行う

面談の結果、派遣社員の退職が決まった場合には、次の対応事項が発生します。

  • 退職に関する情報共有
    派遣元企業から派遣先企業の担当者へ、退職の事実と希望日が伝えられます。退職日は派遣社員の就業部署の繁忙期や業務状況を考慮し、可能な限り業務に支障が出ない日程を踏まえて調整します。場合によっては代替要員の手配も必要です。
  • 業務内容の引き継ぎ
    派遣社員には、退職までに引き継ぎを十分に行うよう指示します。引き継ぎのスケジュールを調整し、必要に応じて業務マニュアルなどを作成させます。引き継ぎ実施後は報告を受け、内容に不足がないか確認します。

貸与物の返却や退職手続き

派遣社員が辞める際には、貸与物の返却や退職手続きが必要です。以下が返却する貸与物の例になります。

派遣先企業に返却する物品

  • 入館証
  • PC
  • 制服

派遣元企業に返却する物品

  • 社員証
  • 健康保険証

貸与物がある場合、受入部署の担当者からも忘れないようにアナウンスをします。

※退職に伴い、健康保険や厚生年金、雇用保険の被保険者資格、離職票の希望有無などの質問を派遣社員から受けた場合は、直接の雇用主である派遣元企業に確認するよう促しましょう。

3. 派遣社員の退職対応で押さえる注意点

派遣社員の退職に関わるやりとりは、派遣元企業と派遣先企業との間で行われるのが基本となります。対応を誤ると、派遣元企業との信頼関係を損なったり、思わぬトラブルに発展したりするリスクがあります。退職対応を進める上で、押さえておくべき注意点をまとめます。

派遣社員から退職の意思を受けてもその場で可否を判断しない

派遣社員から退職の意思を伝えられても、派遣先企業の担当者が独断で退職を承認したり、引き止めたりしてはいけません。派遣元企業への連絡、社内への口外の有無について確認を行うなど、慎重な対応を心がけましょう。

「辞めたい」という申し出には、職場の人間関係や業務内容のミスマッチ、キャリアへの不安など、深い悩みが隠れているケースがほとんどです。こうした事態を防ぐためには、職場環境の改善といった取り組みを常日頃から行っていくことが重要です。

派遣元企業と対応方法のすり合わせをする

派遣社員の雇用主は、雇用契約を結んでいる派遣元企業です。派遣先企業は、派遣社員ではなく、あくまで派遣元企業との間で派遣契約を結びます。そのため、派遣社員は派遣元企業に退職の意思を伝え、派遣元企業から派遣先企業へと伝えられるのが一般的です。

しかし、派遣社員の中には、両者の役割を混同してしまい、派遣先企業へ退職を申し出る場合もあるでしょう。現場の混乱を避けるためにも、あらかじめ派遣元企業と退職時の対応方法を確認しておくことが重要です。

判断の根拠を説明できるよう記録を必ず残す

「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、いつ・どのような手段で申し出があったか、どのような理由だったかなどの記録を必ず残しましょう。これは万が一訴訟に発展した場合、自社の対応に問題がないことを主張する証拠にもなります。

4.まとめ

派遣社員の退職は法律も絡む繊細な問題です。人事担当者だけで判断せず、派遣元企業と密に連携を取りながら進めることが、トラブル回避の鍵となります。

派遣社員の管理や対応、人材活用の最適化にお悩みがあれば、旭化成アミダスへご相談ください。豊富な人材派遣の実績を活かし、貴社の人事課題解決をサポートします。

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