派遣社員のメリットとデメリット、そして正社員との違い

人材派遣の基礎知識
派遣社員のメリットとデメリット、そして正社員との違い派遣社員のメリットとデメリット、そして正社員との違い

「人材派遣」という働き方は、1986年に労働者派遣法が施行され、スタートしました。
この派遣というスタイルで働く労働者を「派遣社員」と呼びます。

今回は、派遣社員として仕事をするメリットとデメリットをご紹介した上で、正社員との違いについて解説していきます。派遣という雇用形態の特徴を理解することで、自身のキャリア形成に役立つ情報が得られるでしょう。

この記事で分かること
・派遣社員として働くメリット&デメリット
・派遣社員と正社員の違い
・派遣社員に向いている人の特徴

目次

  1. 派遣社員とは
  2. 派遣社員の6つのメリット
    • メリット1.未経験からでも始められる仕事がある
    • メリット2.給与が高いケースが多い
    • メリット3.就職活動の負担が少ない
    • メリット4.様々な経験を積める
    • メリット5.派遣会社に仕事上の悩みを相談できる
    • メリット6.派遣元企業が条件面を派遣先へ交渉してくれる
  3. 派遣社員の5つのデメリット
    • デメリット1.契約更新されないケースがある
    • デメリット2.ボーナス(賞与)が支給されないことが多い
    • デメリット3.同じ派遣先で3年以上働けない
    • デメリット4.派遣会社によって待遇が異なる
    • デメリット5.スキルの有無で給与の差が大きい
  4. 派遣社員と正社員の違い
  5. 派遣というスタイルで働くことに向いている人~メリット・デメリットからわかる~
    • ①. 色々な企業や職種で経験をしたい人
    • ②. 給与にこだわって働きたい人
    • ③. 未経験の職種にチャレンジしたい人
    • ④. フレキシブルに仕事をしたい人
  6. まとめ

1.派遣社員とは

派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、他の企業(派遣先)に派遣されて働く社員のことを「派遣社員」と呼びます。派遣という働き方は、1986年に労働者派遣法が施行されたことにより、本格的にスタートした雇用形態です。

派遣社員として働くには、インターネット上の求人情報や派遣会社が開催する登録会などに参加して派遣登録を済ませた上で、派遣会社から仕事を紹介してもらいます。登録時には、保有資格やスキル、希望する職種や業種などを申告し、自身に合った案件がある際に紹介を受ける仕組みになっています。

派遣社員は派遣先企業から業務上の指揮命令を受けて日々の業務を遂行しますが、給与の支払いや福利厚生に関する雇用関係は派遣元企業と結ぶため、実際に働く派遣先企業との直接的な雇用関係は存在しないという点が大きな特徴です。

派遣社員とは

2.派遣社員の6つのメリット

派遣社員として働くことの主なメリットを6つご紹介していきます。

派遣社員というと、デメリットがピックアップされがちですが、派遣ならではの利点も数多く存在しています。

以下が派遣社員で働く主なメリットです。

  • メリット1.未経験からでも始められる仕事がある
  • メリット2.給与が高いケースが多い
  • メリット3.就職活動の負担が少ない
  • メリット4.様々な経験を積める
  • メリット5.派遣会社に仕事上の悩みを相談できる
  • メリット6.派遣元企業が条件面を派遣先へ交渉してくれる

メリット1.未経験からでも始められる仕事がある

正社員の転職は経験のある職種でないと難しい部分もありますが、派遣社員であれば、未経験でも様々な職種にチャレンジできる機会があります。このメリットは、キャリアチェンジを考えている方や、新しい分野に興味を持っている方にとって特に大きな利点となるでしょう。

メリット2.給与が高いケースが多い

派遣の仕事は、特定の分野における深い知識やスキルが求められる専門性の高い業務も少なくありません。

高い専門スキル、豊富な実務経験がある場合、派遣先企業にとって即戦力として活躍でき、正社員として働く人よりも時給が高く設定されることもあります。

派遣社員であっても、自分の持つスキルや経験を評価されれば、それに見合った高い給与を得ることが可能です。

参考:派遣社員の時給相場はどれくらい?地域別・職種別の時給相場を紹介

メリット3.就職活動の負担が少ない

派遣社員は、派遣元企業が派遣先の職場を見つけてくれるため、就職活動の負担が少なくて済みます。

正社員の転職活動では、企業の求人情報を自分で探し、「書類審査→面接→採用」というステップを踏んでいく必要があり、手間と時間がかかります。特に未経験の業種や職種で働く場合、この採用プロセスはさらに厳しくなる傾向にあります。

しかし、派遣社員であれば派遣元企業が派遣先企業と労働条件などを交渉してくれるため、未経験の業種や職種であっても働ける可能性が高い傾向にあります。つまり、個人で行うべき求人探しや面接対策といった負担を大幅に軽減できるメリットがあります。

メリット4.様々な経験を積める

派遣会社には、様々な業種や職種の仕事が豊富にありますので、幅広い仕事の中から希望のものを選ぶことができます。営業、企画、マーケティング、事務、製造、医療事務など、多岐にわたる職種を経験することが可能です。

複数の企業や職種を経験することで、自分の適性や興味のある分野を発見し、生涯続けていきたい仕事が見つかるかもしれません。また、業界全体の視点が広がり、多様な経験を積み重ねることでスキルアップにもつながります。短期間でも異なる環境で働くことで、新しい知識や技術、人間関係の構築方法を習得できるでしょう。

メリット5.派遣会社に仕事上の悩みを相談できる

一般的に企業に所属すると、すぐに辞めることは難しく、仕事上の悩み事があっても社内の人に相談しにくいケースも少なくありません。

しかし、派遣社員であれば派遣元企業に所属しているため、派遣先の人間関係を気にすることなく、派遣元企業に相談できます。必要であれば、派遣先企業との間に入り解決のサポートをしてくれることもあります。

派遣元企業は労働環境の問題やキャリア形成に関する相談まで、幅広くサポート体制を整えています。仕事を続ける上での不安や懸念事項があれば、気軽に担当のコーディネーターに相談することができるのです。

また、希望すれば派遣元企業のキャリアコンサルティングを受けることができ、将来的なキャリア形成の支援をしてもらえます。このように派遣元企業が仲介役として機能することで、派遣社員は心理的な負担を減らしながら働くことができるという点も、派遣という働き方の重要なメリットと言えるでしょう。

メリット6.派遣元企業が条件面を派遣先へ交渉してくれる

個人で就職活動をする場合、給与や希望の労働条件などの待遇は自分で交渉しなければなりません。しかし、派遣社員の場合、条件の交渉などを派遣元企業が行うため、そうした労力は必要ありません。

また、交渉に慣れた営業担当が派遣先企業との話を進めるため、希望に沿った条件で仕事ができる可能性も高くなります。さらに、個人での交渉では難しい給与水準の引き上げといった待遇改善についても、派遣元企業の営業担当が専門的な知識と経験を活かして対応してくれます。派遣元企業は多くの企業との取引実績があるため、業界水準に見合った条件を引き出しやすいというメリットもあります。

3.派遣社員の5つのデメリット

次に、派遣社員として働く主なデメリットを5つご紹介していきます。派遣という働き方には多くのメリットがある一方で、理解しておくべき制限や課題が存在します。

  • デメリット1.契約更新されないケースがある
  • デメリット2.ボーナス(賞与)が支給されないことが多い
  • デメリット3.同じ派遣先で3年以上働けない
  • デメリット4.派遣会社によって待遇が異なる
  • デメリット5.スキルの有無で給与の差が大きい

デメリット1.契約更新されないケースがある

派遣期間が満了した後、派遣先の企業が派遣社員を必要としなくなったり、派遣社員に求められるスキルが満たされていないなどの理由により、契約を更新されないケースがあります。

派遣先企業の職場で長く働き続けたいという希望があっても、契約期間の満了時点で雇用関係は終了となるため、新しい仕事を探す必要が生じます。このような不確定性は、派遣社員として働く上で大きなデメリットのひとつとして挙げられます。

デメリット2.ボーナス(賞与)が支給されないことが多い

賞与は会社に勤める社員に対して、会社の利益の一部を還元することが本来の目的ですので、派遣社員には支払われないことがほとんどです。また、交通費が支給されないこともあります。

ただし、賞与や交通費として支給されない代わりに、給与そのものが高く設定されているというケースもあります。基本給や時給に上乗せされる形で待遇が決められることが多いため、年間の実質的な収入で判断することが重要です。

派遣社員として働く際には、賞与や交通費の支給状況だけでなく、時給や月給の水準も含めた総合的な条件を確認しておくことをおすすめします。

参考:派遣社員にボーナスは出る?賞与の決め方をわかりやすく解説

デメリット3.同じ派遣先で3年以上働けない

労働者派遣法では、同一の組織単位での勤務期間の上限は3年と定められています。この法律上の制限により、派遣社員が同じ職場で長期的に働き続けることが制度的に難しくなっています。

ただし、無期雇用派遣制度を導入している派遣元企業も存在しており、このような場合では、3年を超えて無期限で勤務を継続できるケースもあります。しかし、基本的には3年の契約期間満了後に職場が変わることになると想定しておいたほうがよいでしょう。

参考:派遣の3年ルールとは?派遣先企業が知っておきたい例外と対策

デメリット4.派遣元企業によって待遇が異なる

派遣社員は、派遣元企業と雇用契約を結んで働きますが、派遣元企業によって福利厚生など待遇がまちまちになることは否めません。

同じ派遣先企業で同じ職種の仕事をしていても、登録している派遣元企業が違えば、給与や福利厚生に差が生じる可能性があります。そのため、派遣社員として働く際には、複数の中から比較検討し、より良い待遇を提供している派遣元企業を選ぶことが重要といえるでしょう。

デメリット5.スキルの有無で給与の差が大きい

派遣社員として働く場合、資格や実務経験の有無によって給与に大きな差が生じてしまう点は、デメリットとして認識しておく必要があります。

派遣社員は時給制で給与が決定されることがほとんどですが、その時給は本人の保有スキルや経歴によって左右される傾向にあります。専門的なスキルや難易度の高い資格を持つ派遣社員は高時給での募集が多いのに対し、スキルや経験がない場合は、一般的な時給に設定されることになります。

つまり、高い給与を得たいのであれば、事前にスキルアップや資格取得に力を入れることが不可欠となってきます。派遣社員として働き始めてから給与を大幅に上げるためには、実務を通じてのキャリア形成が重要になるといえるでしょう。

4.派遣社員と正社員の違い

派遣社員と正社員にはいくつかの大きな違いがあります。

派遣社員は派遣元企業と雇用契約を結び、正社員は働く企業と直接雇用契約を結びます。このため、派遣社員は派遣先企業との直接的な雇用関係を持たないという特性があります。

雇用の安定性も大きな違いです。正社員は原則として期間の定めのない雇用契約であるため、定年まで安定して働くことが期待できます。一方、派遣社員は契約期間が定められており、契約満了時に更新されない可能性があり、雇用の継続が保証されていません。

また、正社員は企業の福利厚生制度を受けることができますが、派遣社員の福利厚生は派遣元企業が提供する制度となるため、内容が異なることがあります。

働き方の自由度においては、派遣社員は企業に長期で拘束されず、契約期間満了後に別の職場への異動が可能で、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる利点があります。一方、正社員は企業に在籍する期間が長く続く傾向にあり、企業の配置転換の対象となることもあります。

5.派遣というスタイルで働くことに向いている人~メリット・デメリットからわかる~

派遣社員として活躍できる人には、いくつかの特徴が見られます。以下のような働き方を望む人であれば、派遣社員という選択肢は非常に適した雇用形態といえるでしょう。

ここまでご紹介してきた派遣社員のメリットとデメリットを踏まえた上で、派遣というスタイルで働くことに向いている人のポイントをいくつかご紹介していきます。

色々な企業や職種で経験をしたい人

派遣社員は、様々な職種や業種にチャレンジしたい人に向いています。派遣元企業には多種多様な仕事がありますので、自分の興味や適性に応じてどんどんチャレンジできます。異なる企業での勤務経験を通じて、幅広い知識やスキルを習得することができるでしょう。

たくさん経験を積むことで、自分の適性や今後のキャリアの方向性が見えてくることもあります。短期間での配置変更により、複数の職場環境に適応する力も養われます。こうした多くの経験を積むことができることも派遣社員の醍醐味とも言えるかもしれません。

給与にこだわって働きたい人

給与にこだわって働きたい人にとって、派遣社員は魅力的な働き方といえるでしょう。派遣社員は自分のスキルを高めることにより、給与も高くできる可能性があります。

また、時給制であることが多い派遣社員は、残業手当もしっかり支給されるため、頑張った分だけ給与に反映されやすい仕組みとなっています。さらに、同じ業務内容であれば、正社員よりも時給が高く設定されている案件も多く存在します。このように、スキルと努力で収入を増やしたいという意欲的な人には、派遣社員としての働き方は非常に適していると言えるでしょう。

未経験の職種にチャレンジしたい人

未経験の職種に転職したい人にとっても、派遣社員という働き方は非常に有効な選択肢となります。通常の正社員採用では経験を求められるケースが多いのに対して、派遣社員としてであれば未経験でも働けるチャンスが多く用意されています。

特に事務職、データ入力、営業事務といった業務は派遣社員が多く活躍している職種のひとつです。これらの職種は未経験からチャレンジできる職場が豊富に存在します。派遣社員として働きながら実務経験を積むことで、その職種や業界に関する知識とスキルを習得することが可能です。

また、派遣元企業のサポートを受けながら新しい職種の業務に取り組むことができるため、安心して未経験の分野に踏み出すことができます。経験を積みたいと考えている人にとっては、派遣社員という働き方から始めることで、キャリアの可能性が大きく広がるでしょう。

フレキシブルに仕事をしたい人

派遣の仕事は短期や単発、短時間など多種多様な案件があるため、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことが可能です。

扶養範囲内で働きたい人、複数の仕事を掛け持ちしたい人、期間限定で働きたい人、また育児や介護との両立を図りたい人など、様々なニーズに対応した働き方を選ぶことができます。派遣という働き方であれば、人生のステージごとに異なる働き方の選択肢が広がるでしょう。

6.まとめ

派遣社員という働き方は、アルバイトやパートに比べて給与が高くなるケースが多いという特徴があります。また、未経験の職種にチャレンジしやすい点も魅力的です。さらに、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に仕事を選ぶことができるなど、派遣社員には多くのメリットがあります。

本記事でご紹介した通り、派遣には契約更新されないリスクやボーナスが支給されないといったデメリットもあります。しかし、メリットとデメリットを理解した上で、自分の人生設計や働き方の価値観に照らし合わせて判断することで、派遣という働き方は非常に有効な選択肢となり得ます。

キャリア形成のプロセスの中で、あるいは現在のライフスタイルを重視する働き方として、派遣の仕事を始めてみることをご検討ください。派遣会社のサポートを活用しながら、自分らしい働き方を実現できる可能性が大きく広がります。

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