

職場で生じるアンコンシャス・バイアスは社員同士のコミュニケーションに影響を与え、誤解や摩擦を生む要因となることがあります。特に派遣社員は組織における立場が異なるため、無意識の偏見がコミュニケーションの障壁になりやすく、これを放置すればモチベーションの低下や短期離職にもつながりかねません。派遣社員と良好な関係を築くためには、自社に存在する無意識の偏見・思い込みへの対策を講じる必要があります。
この記事では「アンコンシャス・バイアス」を取り上げ、職場での具体例や解消するための対策についてわかりやすく解説します。
目次
- アンコンシャス・バイアスとは
- アンコンシャス・バイアスが注目される背景
- マイクロアグレッションとの違い
- 職場に潜むアンコンシャス・バイアスの具体例
- 職場全体における具体例
- 採用・育成における具体例
- 人事評価における具体例
- 人材活用における具体例
- アンコンシャス・バイアスが及ぼす悪影響
- 個人への影響
- 社内への影響
- 社外への影響
- アンコンシャス・バイアスを解消する取り組みの効果
- アンコンシャス・バイアスを解消するための対策
- 【1】社員への周知
- 【2】組織の実態調査
- 【3】研修の実施
- 派遣社員とのコミュニケーションを円滑に進めるには
- まとめ
1.アンコンシャス・バイアスとは
アンコンシャス・バイアスとは、過去の経験や習慣、自身の価値観から起こる「無意識の偏見」「無意識の思い込み」のことです。たとえば赤いランドセルを見て女の子をイメージする、親が単身赴任中と聞いて父親をイメージするなど、無意識に「こうだろう」「こうあるべきだ」と思い込んでいることがアンコンシャス・バイアスに該当します。
【アンコンシャス・バイアスの代表的な種類】
種類 | 概要 |
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ハロー効果 | 一部の目立つ特徴に引きずられて全体の評価が歪む現象 |
ステレオタイプ | 大多数の人々に浸透している先入観や思い込み |
確証バイアス | 自分の意見を肯定する情報ばかりに注目する傾向 |
正常性バイアス | 異常な事態に遭遇しても「正常の範囲内」と捉える傾向 |
サンクコスト効果 | 回収不可能な投資に気を取られて合理的な判断ができなくなる現象 |
インポスター症候群 | 成功や称賛を受け入れられずに自分を過小評価する傾向 |
