【2025-26年度】最低賃金改定の全国一覧!地域別・産業別の確認方法

人材派遣の基礎知識
【2025-26年度】最低賃金改定の全国一覧!地域別・産業別の確認方法【2025-26年度】最低賃金改定の全国一覧!地域別・産業別の確認方法

2025年度の最低賃金は過去最大の引き上げとなりました。最低賃金の改定が派遣料金に与える影響や、派遣契約の見直しのタイミングなど、押さえておくべき知識は多岐にわたります。

この記事では、2025年度の地域別最低賃金を一覧で紹介し、派遣社員に対する最低賃金の仕組みなど、実務で欠かせないポイントを解説します。

派遣先企業として検討すべき事項を押さえ、人材戦略に活かすヒントとしてご活用ください。

・最低賃金の基礎知識
・最低賃金と派遣料金の関係性
・最低賃金の改定前に企業が備えること

目次

  1. 最低賃金とは
  2. 令和7年度(2025年度)地域別最低賃金一覧表
    • 特定(産業別)最低賃金
  3. 最低賃金が与える派遣料金への影響
    • 派遣も最低賃金法が適用される
    • 派遣先企業の最低賃金が適用される
    • 派遣元企業が賃金調整を行う
  4. 最低賃金改定前に派遣先企業が備えることとは
    • 人員計画とリソース配分の見直し
    • 働き方やエンゲージメント向上施策の強化
  5. まとめ

1.最低賃金とは

最低賃金制度とは、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の下限を国が定める制度です。最低賃金より低い額で労働契約を締結しても法律によって無効となり、最低賃金額と同額の賃金が適用されます。

最低賃金とは

最低賃金には次の2種類があります。

  • 地域別最低賃金:各都道府県における最低賃金。職種や業種、雇用形態を問わず、すべての労働者に適用される基準
  • 特定(産業別)最低賃金:地域別よりも高い賃金の設定が必要と判断された特定の職種や業種に適用される基準

両方が適用される場合は、高い方が適用されます。最低賃金の発効日(改定後の額が適用される日)は都道府県により異なりますが、毎年10〜12月頃です。

2.令和7年度(2025年度)地域別最低賃金一覧表

令和7年度の都道府県ごとの地域別最低賃金額と令和6年度からの引き上げ額は、次の表のとおりです。

都道府県 最低賃金時間額(円) 引き上げ額(円)
北海道 1,075 65
青森 1,029 76
岩手 1,031 79
宮城 1,038 65
秋田 1,031 80
山形 1,032 77
福島 1,033 78
茨城 1,074 69
栃木 1,068 64
群馬 1,063 78
埼玉 1,141 63
千葉 1,140 64
東京 1,226 63
神奈川 1,225 63
新潟 1,050 65
富山 1,062 64
石川 1,054 70
福井 1,053 69
山梨 1,052 64
長野 1,061 63
岐阜 1,065 64
静岡 1,097 63
愛知 1,140 63
三重 1,087 64
滋賀 1,080 63
京都 1,122 64
大阪 1,177 63
兵庫 1,116 64
奈良 1,051 65
和歌山 1,045 65
鳥取 1,030 73
島根 1,033 71
岡山 1,047 65
広島 1,085 65
山口 1,043 64
徳島 1,046 66
香川 1,036 66
愛媛 1,033 77
高知 1,023 71
福岡 1,057 65
佐賀 1,030 74
長崎 1,031 78
熊本 1,034 82
大分 1,035 81
宮崎 1,023 71
鹿児島 1,026 73
沖縄 1,023 71
全国加重平均 1,121 66

参考:令和7年度地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)

令和7年度は全都道府県の最低賃金が1,000円を上回り、全国平均66円の引き上げとなり、昭和53年度に目安制度が始まってから最高額となりました。各都道府県で63〜82円程度の増加となり、特に地方の上昇が顕著です。

※目安制度とは、厚生労働省の中央最低賃金審議会が都道府県を経済実態に合わせていくつかのランクに区分し、地域別最低賃金改定の引き上げ額の「目安」を提示する制度です。

特定(産業別)最低賃金

特定(産業別)最低賃金は、対象となる産業や金額が地域(都道府県)ごとに異なります。特定(産業別)最低賃金額の全国一覧は参考のリンクをご覧ください。ここでは一部を抜粋して紹介します。※(2026年3月30日現在)

【参考】北海道の「特定(産業別)最低賃金額」

都道府県 産業 最低賃金時間額(円)
北海道 処理牛乳・乳飲料、乳製品、砂糖・でんぷん糖類製造業 1,113
鉄鋼業 1,165
電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 1,116
船舶製造 1,105

【参考】鉄鋼業の「特定(産業別)最低賃金額」(一部都道府県抜粋)

都道府県 産業 最低賃金時間額(円)
青森県 鉄鋼業 1,109
東京都 鉄鋼業 871 ※
大阪府 鉄鋼業 1,185
岡山県 鉄鋼業 1,166
大分県 鉄鋼業 1,176

「※」で示された特定(産業別)最低賃金額のように、地域別最低賃金のほうが高い場合には高い方が適用されます。

参考:特定(産業別)最低賃金全国一覧(厚生労働省)

3.最低賃金が与える派遣料金への影響

最低賃金の改定は、派遣料金にも影響します。派遣社員に対する最低賃金の仕組みを確認しておきましょう。

派遣も最低賃金法が適用される

派遣社員にも最低賃金法が適用されます。最低賃金の目的は、労働者の生活の安定や適切な労働条件の確保です。そのため、雇用形態を問わず、派遣社員を含めた国内で働くすべての労働者が対象となります。

労働契約で定められた賃金額が最低賃金を下回る場合、賃金設定は無効です。無効となった場合は、最低賃金額と同額の賃金を定めたものとみなされます。

派遣先企業の最低賃金が適用される

派遣社員に適用される最低賃金は、実際に就業する派遣先の所在地の額です。派遣元企業の所在地の最低賃金ではありません。

例えば東京都の派遣元から青森県の工場へ派遣される労働者の場合、適用されるのは青森県の最低賃金です。逆に、地方から東京へ派遣される場合は、東京都の最低賃金が適用されます。

派遣先の所在地の最低賃金額のほうが高い場合、派遣元の水準で考えると最低賃金割れが起きる可能性があるため注意しましょう。

派遣先に特定(産業別)最低賃金が適用される場合も確認が必要です。地域別の最低賃金額では特定(産業別)最低賃金に達していない可能性があります。

派遣元企業が賃金調整を行う

最低賃金が改定されると、派遣元企業が賃金調整を行う場合があります。賃金調整の結果によっては、派遣料金の見直しを依頼される可能性もあるでしょう。

派遣料金は、最低賃金の額や労働市場の動向を反映して決定されます。最低賃金が上がれば派遣社員へ支払う賃金が増え、派遣料金も上乗せされる可能性があります。

改定後の最低賃金は毎年10〜12月頃に適用されるため、派遣契約の期間中でも適宜見直しが必要です。派遣先企業としては、最低賃金の引き上げが派遣料金の引き上げにつながる点を把握しておきましょう。

4.最低賃金改定前に派遣先企業が備えることとは

物価高が続いている昨今、最低賃金は今後も高い水準で引き上げが続くと見込まれます。最低賃金の改定に備え、派遣先企業が行うべき事項を解説します。

人員計画とリソース配分の見直し

人員計画を見直し、人的リソースが適切に配分されているか確認しましょう。DX推進や業務プロセスの改善によって生産性向上や効率化が実現できれば、余分な人的コストを削減できる可能性があります。

ただし、派遣料金の値上げだけを理由とした派遣契約の終了が正しい判断とは限りません。派遣社員が事業運営に欠かせない人材であった場合、現場が回らなくなる可能性もあります。業務に精通した派遣社員を直接雇用に切り替えられないかなど、長期的な視点での検討が重要です。

働き方やエンゲージメント向上施策の強化

派遣社員の働き方の見直しや、エンゲージメント向上のための施策も有効です。

最低賃金の引き上げは労働者の賃金上昇につながるため、派遣社員にとってもプラスに働きます。しかし、最低賃金に合わせた賃金の引き上げは法律上の義務にすぎず、ほかの企業との差別化にはなりません。また、単に賃金が高いだけでは人材をつなぎとめることは困難でしょう。

効果的な施策としては、次のようなものが考えられます。

  • 労働条件の改善
  • 働きやすい環境の整備
  • 派遣社員の育成支援

目先のコスト増にとらわれず、派遣社員が「今の職場で働き続けたい」と思える施策を講じましょう。

5. まとめ

2025年度の最低賃金改定により、全都道府県で最低賃金が大幅に引き上げられました。最低賃金の引き上げにより、契約期間中でも派遣元企業から料金の見直しを求められる可能性もあります。

今後も最低賃金が引き上げられる可能性は高いため、派遣先企業としては業務プロセスの改善や直接雇用の検討など、抜本的な人員計画の見直しが必要です。法令を遵守しつつ、派遣を活用しながら持続可能な組織運営を目指しましょう。

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