

派遣社員の就業に際し、派遣先に課せられる義務の一つに、派遣先管理台帳の作成、記載、保存及び記載事項の通知(法第42条)があります。
派遣先管理台帳は派遣労働者ごとに決められた事項を記載し、1か月ごとに1回以上派遣元事業主に通知をしたり、一定期間保管をしたりするなど、いくつかの決まり事があります。この記事では、派遣先管理台帳の適切な管理をおこなう上で理解しておきたいポイントについて解説します。
目次
1.派遣先管理台帳とは
派遣先管理台帳とは、派遣元情報、派遣社員の契約内容、就労の実態などの情報を記載し管理する台帳(データ管理可)のことで、事業所ごとに作成し適切に保管します。記載する情報は、労働者派遣法により必須項目が定められていて、台帳は各法定記載事項が確定するたび更新する必要があります。
なお、2020年に労働者派遣法は改正され、派遣先管理台帳に記載する項目が追加されていますので、旧式の台帳で運用している事業者は、一度項目を見直す必要があります。

派遣先に派遣先管理台帳の作成、記載、保管が義務づけられている主な理由は、派遣社員の適切な雇用管理のためです。派遣先は派遣元に対して1か月ごとに1回以上、一部の項目の通知が義務づけられています。
もし、派遣社員から苦情の申し出を受けた場合は、派遣元に通知し、苦情の申し出を受けた年月日、苦情の内容、苦情の処理状況等を都度記載し、適切な対応をしなければなりません。
例外のケースとして、派遣先事業所の労働者の数が派遣社員を含め5人以下の場合は、派遣先管理台帳を作成する必要がありません。