さまざまな分野で人材派遣の実績を重ねてきた旭化成アミダス。派遣先企業の目にはどのように映っているのでしょうか。グループ企業であり、メインクライアントである旭化成 川崎製造所の下妻さんと、旭化成アミダスのスタッフプランナーの田村が包み隠さず語り合いました。
小規模組織で、多数の派遣スタッフをマッチング


旭化成株式会社川崎製造所は、旭化成グループの3つの事業領域、マテリアル、住宅、ヘルスケアのうちマテリアル領域を主に担う一大拠点。石油化学系、イオン交換膜などの膜関連の技術開発・製造をおこなっています。国内における非常に重要な役割を担う拠点です。
ここで総務部勤労グループのグループ長を務める下妻 良平さんは、人事勤労の責任者として、社員に関連する業務の他、派遣スタッフの充員などの業務を担当されています。
アミダスの川崎支店は、この川崎製造所内にあります。少人数の支店で、田村 倫昭はスタッフプランナー兼営業コーディネーターとして、支店運営から派遣スタッフのフォローまで幅広く任されています。
支店そのものは小規模ですが、実は、川崎製造所にはアミダスから多数の人材を派遣しています。そして、その大半は研究開発部門のスタッフです。
下妻 「旭化成の他拠点と比べても研究開発部門にこれだけの派遣スタッフがいるのは驚きです。世の中には研究開発に特化した人材派遣会社があるのに、7割がアミダスさんなのですから、アミダスさんへの信頼感は厚いですね」
もちろん田村が担当するのは研究開発分野の人材だけではありません。IT関連、設備管理、製造管理、さらに事務職など非常に幅広い職種を扱います。
実は、下妻さんも田村も2020年に現在の部署に赴任したばかり。お互いに知り合ってから1年ほどの時間的には短い関係ですが、下妻さんは社外の派遣元企業というより"仕事仲間"という感覚があるといいます。
それもそのはず、日常的にふたりは定期的なミーティングで情報交換や課題の共有などを密に行い、万が一の急な欠員などに備えているのです。
2020年10月に川崎支店に異動になる前、田村は旭化成本社、富士支社を歴代担当してきました。
田村 「同じ企業であっても拠点ごとに事業領域も規定なども異なっています。川崎の特徴は5~10年と長く勤める派遣スタッフの方が多く、社員の方とも信頼関係が築かれていて、安定しているという印象でした」
前任者たちが築いてきた信頼関係を守っていきたい、赴任以来そう考えてきた田村は「派遣のことはアミダスの田村に聞けば大丈夫」と思ってもらえることを目標にしています。
また、派遣スタッフの方々には、「旭化成グループで気持ちよく働き、旭化成という会社をもっと好きになってほしい」という想いで日々接しています。
派遣スタッフの活躍があるからこそ企業も成長できる。つまり仲間ということ


下妻さんは、長期的な課題として「人と組織の成長」を掲げています。
下妻 「人や組織がどう成長できるか、どう活力をあげていけるか、というテーマに取り組みたいと考えています。理想をいえば川崎地区の従業員全員が生涯成長を続けたいと願う組織となるにはどのような方法があるか。そのための人事施策面からの仕掛けや仕組みづくりをして、文化として定着させたいんです。この分野に終わりはないので、息の長いテーマです」
そのような課題をもつ下妻さんには派遣スタッフに求めるものがあります。
下妻 「本来、社員と派遣スタッフの業務切り分けは重要です。しかし関係性においては、また異なる視点があります。私たちは派遣スタッフの皆さんも"大切な仲間"だと思っているんです。たとえば、派遣スタッフの方に業務を預けられるからこそ、社員に余白が生まれ、研究や製造の仕事が前進できるのだと思います。派遣スタッフの方の活躍は、そのまま私たちの目指す方向につながっていく。だからこそ仲間なんです。世間一般では、派遣スタッフさんからの『ありとあらゆるものを派遣だからと線引きされると面白くない、つまらない』と言う声が聞こえます。その通りだと思います。コンプライアンスなど守るべきはおさえたうえで、仲間意識やつながりという部分には線を引く必要はないと思っています」
田村はアミダスの存在意義は「旭化成さんに寄り添い、支援していくこと」にあると考えています。
田村 「下妻さんの課題についてアミダスの立場でどうサポートできるか、もちろん支援領域は限られますが、アミダスの持つソリューションや手法でいかに人事課題を解決していくかが私たちの役目だと考えています」
また田村が重視しているのは「架け橋」となること。
田村 「各部署と人事の架け橋になるという支援の仕方もあると考えています。急な退職者や欠員が出た場合に、タイムリーに即戦力を補充できるのが派遣の特徴。部署担当者と人事担当者との間に立ち必要な人材について調整しながら、提案するのも架け橋のひとつかなと」
そうした田村の対応について、頼もしさを感じていると言う下妻さん。
下妻 「職場の責任者、指揮命令者、同僚などのことにも理解が深く、現場のことに精通しているから対応が速いし、こちらのニーズも的確にキャッチしてくれる。現場のメンバーからも頼られる存在です。私自身も、法律など人事がキャッチアップすべき専門的な情報も田村さんはお詳しいので相談できる。私も助けられています」
まさに田村が目指す「派遣のことは、アミダスの田村に」を着々と実現しつつあります。
フラットに向き合える企業風土の上に成り立つ人間関係


アミダスの派遣スタッフの特徴は、仕事に対して積極的に取り組む姿勢だと下妻さんは語ります。
下妻 「派遣の業務内容は法律で線引きがあるので、人によっては『自分の契約分はここまで』と主張する方もいると思いますが、私の部署にいるスタッフさんの姿勢は反対です。責任をもち、さらに自分から仕事を取りに行くというような積極的な姿勢で取り組んでくれています。またアミダスさんの派遣スタッフの方はどの職場でも人間関係のトラブルもまったくありません。派遣先である私たちの立場では、派遣スタッフの方を選ぶ行為は許されていませんから、どの職場でも皆さん相性がいいのは、田村さんのマッチングのおかげだと思います」
確かに田村は、適材適所の人材を紹介できるようにと、常日頃から各部署の担当者に意識的にヒアリングをおこなっています。しかしそれは自分の力ではなく「旭化成の皆様のおかげ」と田村は考えています。
田村 「派遣スタッフだからと特別扱いせず、本当にチームの仲間として接してくださってるので、派遣スタッフさんのモチベーションも上がり責任感も生まれる。結果的に派遣スタッフさんたちは活躍できるのだと思います」
そういう意味では、正社員と派遣社員がよい信頼関係を築いて"仲間"として仕事ができるのは「旭化成の風土の影響もあるかもしれない」と下妻さん。
旭化成では創業当時から上司を役職名で呼ばず、社長でも新入社員でもみんな名前を「さん付け」で呼び合っています。こうした誰に対してもフラットな土壌があるからこそ、信頼関係が生まれやすいのかもしれません。
目指すのは、派遣先企業も求職者もWin-Winの関係であること


派遣先企業としてアミダスに期待するのは「これまでどおり」だと下妻さんはいいます。
下妻 「ニーズの的確な把握、素敵な人材のマッチング、その後の心配りやフォロー。この3つを続けてほしいですね。もちろんフォローについては、お預かりした職場のメンバーでも取り組むべき部分ではありますが、アミダスさんのおかげで職場でも安定しているのだと思います」
下妻さんの言葉をあたたかく胸に受けとめながらも、田村はまだまだやるべき課題はあると考えています。
田村 「アミダスは旭化成グループの人材派遣会社ですから、競合他社に比べると優位性があります。しかし、解析業務など非常に高度な技術専門的職種については、技術者専門の人材派遣会社さんにかなわないケースがあります。これはご要望に対して100%お応えできていないという証拠。私にとっての課題です。この課題解決のためにも、日頃から旭化成のご担当者と連携をとり部内の情報を熟知していく必要があると思っています。そして密な連携から迅速な提案につなげていきたいですね」
そしてもちろん、田村が見ているのは、派遣先企業だけではありません。
田村 「単なる御用聞きではなく、時には雇用情勢や市況について派遣先に最新の情報をお伝えしながら、条件の緩和など求職者にとっても魅力的な仕事になるような交渉をしていくことも私の大事な役割だと考えています。お互いのミスマッチを防いで、派遣先企業も求職者にも喜んでもらえる、適材適所の人材紹介を行っていきたいですね」
田村はその目標を実現し続けるために、今日も知識はもとよりさまざまな人にアンテナを張り巡らさせて奔走しています。